蔵書管理ソフト

 あと一月でケリをつけなければならない未着手の、それも初めての試みがあるというのに、また現実逃避的な作業に手を染めてしまった。
http://www.satoyansoft.com/DotNetNuke/tabid/64/Default.aspx
 蔵書とCDを同じソフトで管理でき、さらにamazonにアクセスして情報を自動的に取り込むことができるという、シェアウェアとしてはかなり欲張った機能だが、使い勝手はかなりいい。
 最近手にいれたCDだけでも整理しようと始めたのだけど、自分なりにアレンジしながら入力すると2−3時間の作業で40−50枚くらい入力するのが精一杯。この調子で毎日入力しても半年近くかかる計算だが、もとより現実逃避ツールであるからリストを完成させようなんて目標はさらさらない。

ジャンク?

    

 先日の日記で仕事部屋用に「CDプレーヤをヤフオクで物色中」と書いたが、きょう届いたのがコレ。SONYのCDP-333ESD。
 本当は上位機種の555ESDが欲しかったのだが、1回のCD屋めぐり(あるいは本屋めぐり)の予算以内で済ますには折り合いがつかず、こっち。
 とはいえ当時(1986)のCDPはいまのこの価格帯の製品に比べて力の入れ方がちがう。振動対策の行き届いた筺体の設計にはじまって、余裕のある電源ユニット、ピックアップの安定を図るための数々の工夫、オーディオ用のケミコンの多用(Nichion/Muse)など、バブル全盛期じゃなければこれだけの手間と物量はつぎ込めないだろう。決め手のひとつになったのは、D/AコンバータにTDA1541が使われていること。
 
 ところで、この品物は「ジャンク」扱いである。
「CD再生しました。
全ての機能を確認していません。
汚れ、傷があります。
表示部内に1箇所1ミリほどのカビみたいな汚れがあります。
古い機種ですのでジャンクでお願いいたします。」
 出品説明はこれだけ。ちょっとした賭けだが、出品者の過去の評価を見て「これは問題なし」と踏んだ。問題があったとしても、CDPの場合、トレーが出ないとかピックアップしないといった不良なら、部品の交換でたいていは直すことができるはずだ(幸いこの機種の個人メンテナンス情報はネットにいくつかある)。
 ところが、到着した品物を見てちょっとびっくり。
 まずは、あるといっていた「汚れと傷」。小さな傷はいくつかあるもののキレイなもんで、個人的にはまったく問題ない。これならいま俺が使っているメインのCDPのほうが細かい傷が多いくらいだ。少なくとも、この年代の機械でこのくらいきれいな個体はショップに行ってもそうあるものではないはずだ。中をチェックするために開腹してみても、埃がほとんどない(これは出品に際して清掃した可能性はあるが)。
 そして機能。あまり使うことはないヘッドフォン用のボリウムに若干のガリが出るものの、それ以外まったく問題ない。トレーの動作もピックアップもスムーズ。
 品物の状態を書く際には、少なからず個人的な主観が混じるとはいえ、これが「ジャンク」扱い? これがジャンクなら、多くのUsed商品は「ジャンク」といわねばならない。
 それ以外にも、輸送時のピックアップ回路保護のためのネジも止めてあったし(基本といえば基本だが)、梱包のダンボールも流用品ではない新品、中の梱包もすこぶる丁寧、こちらが恐縮するほど念が入っていた。こういう出品者もいるんだな。ただ、こういう完璧主義者には自分が出品したものを落札して欲しくはないというのは、正直なところだが(笑

 とにかく、CD数枚の値段でこの状態の個体が手に入れられれば大満足である。
 これで仕事部屋でも心おきなく音楽三昧が可能になったことを素直に喜んでいる。
 仕事の効率が上がるかどうかは別問題だが(そのまえに、仕事ないじゃん/><!)。

【CDプレーヤ】
 仕事部屋に音楽環境がないと、どうしてもオーディオのある部屋に長居してしまうので、仕事部屋用にCDプレーヤの出物を物色中。
 PCをオーディオ用途にも耐えられるように改造する手もあるが、D/Aコンバータとアンプは音的に満足できる予備があるので、中古で出物を探すほうが安く上がるし、改造なんて面倒なことをすぐに実行に移せるほどマメじゃない。だいいち、いまはそのための知識を仕込むための頭の回路はすっかり閉じている。
 駆動系だけに目を向けるなら安価なユニヴァーサルプレーヤーで済ますという手もあるな。
 とりあえず、ヤフオクを物色中。

【お仕事】
 CDPなんかより数百倍重要な問題だが、中長期的展望としてもヤバくないか。ひそかに考えることはあるが、虻蜂取らずになる予感。前途多難。
 風速25メートル以上の暴風圏に入りつつあるカミサン台風の予想進路を変えるために、目先のお仕事を物色中(@_@;)

アンプ2題

ELCTROCOMPANIET/AW100DMB(Power Amplifier)
 これは、1月の末に“あれじファイト”さんが売りに出される前に視聴用にお借りしたものの、あまりに素晴らしかったので、そのまま譲っていただいたもの。(写真は以前に掲載したものと同じ)

 裏から黒く塗し金文字のメーカー名を刻んだ10mm厚のアクリル・フロントパネルは、このメーカーのトレードマークであるが、このデザインはかなり部屋を選ぶ。
 まず、1月31日の日記に書いたように、このアンプは「音の密度が濃いのに透明感があって、楽器の存在感が浮き立つ」のがいちばんの特徴だ。また、低域の押し出しと制御は見事で、深く沈む低域の厚みと反応スピードの速さが両立しているので、下手なアンプだとだぶつき気味になるこのスピーカ(DALI:RoyalTower)から、豊かで締まりのある低音が聴こえてきたのは驚きだった。
 しかし、なんといってもすばらしいのは重心の低い構えから広がる空間の広がりで、音場が左右・奥行きとも1.5倍くらい広がったように聴こえる。しかも、これもデュアル・モノラル構成のメリットだろうが、楽器の定位が見事なのはもちろん、個々の音が楽器の筺体からあふれてくる感覚はまさにライブで聴く楽器のもので、それが全体の響きの安定感にもつながっていると同時に、音の立ち上がりのわずかな肌理の変化を存在感のあるものにしている。
 参考までに書いておくと、このアンプのスピードの早さは、フィンランドのマッティ・オタラという物理学者(ハンマーカードンのサイテーションXXの設計者なんだそうだ)の「オタラ理論」なんてものに拠っているようで、なんでも「アンプの一般的な静特性よりも、スピーカに接続された状態での動特性を重視」しているのだそうだ。わけのわからないまま引用を続けると「スピーカからの逆起電力が瞬間的に超低インピーダンス状態を生み出すことに注目して、瞬時電流供給能力を高め、回路全体をハイスピード化することに留意している」…ということらしい。

 ところで、これまでじつは低域については、スピーカの能力の限界と勝手に思い込いこんで、あまりその再現性には注意を向けてこなかった。それが今回AW100DMBによって、浅はかな思い込みであることに気付くことになったわけだが、それがさらに次のSA-5.1のMichael Elliott推奨のUpgradeTuneの話につながることになるのであるが、それは次回。

お宅訪問

 前回のエントリーから一月以上あいだが開いてしまった。この間、3月8日に事務所を閉鎖するというけっこう大きな転機があったので、そのための準備やら、その後の荷物の整理やらで、ゆっくり音楽を聴いたり本を読んだりするゆとりがなかった。オーディオに気を向けることなど何をかいわんや…というのは半分口実。とはいえ、たんなる仕事のめぐりの問題だが、事務所を閉めてからのほうが仕事に追われ、生活すべてを見直すという目的そのものに対峙できないのは事実である。
 
 そんななかでも忙中閑ありで、先週末(3月31日)、リンクさせていただいているkurokawaさんのお宅にお邪魔してきた。奇しくも東京地方に桜の満開が報道された翌日で、それまで引きこもり状態で仕事に集中していたので、電車内から見る桜がやけに鮮やかに見えた。
 というわけで、本題の出張オーディオ・レポート。といっても、ふだんいろいろな機材の音を聴いているわけではないし、人様のオーディオ・システムの音をちゃんと聴くのは今回もふくめて生まれて3度目の経験だから、頼りになるのは自分のところのシステムや、そこから演繹されたイメージでしかないわけで、すこぶるおぼつかないのは言わずもがなである。しかし、kurokawaさんのオーディオ暦は俺と似たり寄ったりだし、音やにたいする感性の拠りどころも比較的近い気がするので、聴く音楽のジャンルの重なりは大きくないとはいえ、音に何を聴くかという部分では共感するところが多い。
 試聴してきたシステムは、Maranz SA-17SI(SACD)+Cord DAC64MK2(DAC)+Primare 121(Int.AMP)+KEF iQ7(SP)。部屋はマンションの一室のオーディオ専用の畳敷き6畳で、足元は大き目のコーリアン・ボードに5cm厚ほどの白大理石を乗せて固めてある。
 こちらで持参した視聴用のCDは以下のとおり。①武満徹《雨の樹》(ニュー・ミュージック・コンサーツ・アンサンブル[NAXOS])、②ツェンダー:シューベルト《冬の旅》にもとづく創造的解釈の試み〜「おやすみ」(ハンス・ツェンダー指揮アンサンブル・モデルン[BMG])、③マーラー交響曲第2番《復活》〜第5楽章(ミヒャエル・ギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団[Hänsler])、④シューベルト弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》〜第1楽章(カルミナSQ[DENON])、⑤オレゴン:WinterLight〜Tide Pool[Vanguard]
 もちろん、これ以外にもkurokawaさんの選曲も加わって、かなり多彩なジャンルをカヴァーした。
 全体の傾向としては低音から高音までバランス感覚に優れたピュアな音という印象。音色的にも明るすぎず適度な湿り気を帯びた響きで、透明感もある。KEFのスピーカを聴くのは初めてで、音の傾向の多くの部分はこのスピーカのもつ特性に由来するものだとおもうが、ほかの機器の特徴をストレートに反映するレスポンスの高さもあって、たとえば、CordのDACを通さずにSACDの音をそのまま聴いたときの変化は一目瞭然、響きにふくらみと潤いを付加しているのがCordのDACであることがよくわかる。とくにこのスピーカは人の声の再現性がいい。ヴォーカルも合唱もプレゼンスが確かで定位もいいし子音の肌理もリアリティがある。
 一方で、セッティングも含めて空間再現性にはだいぶ苦心されているとおもう。コンクリート壁に合板を打ち付けた反響の大きい壁に畳敷きの部屋ということで、オーディオ雑誌を読まない俺の勝手な考えだけど、壁方向の響きと床方向の響きがアンバランスで、それが空間的なプレゼンスという点ではかなり不利に作用していると思う。苦心の跡は音にもたしかに現われていて、上下左右の音の定位は過不足なく決まっているし、かぎられた空間内で奥行き側の広がりにも気を配られていることがわかる。しかし、気を配られていることが明確だからこそ、逆にキャンバスの枠内に音が収まってしまっているという印象もある。シロフォンヴィブラフォンだけで演奏される①のCDは意地悪CDで、その振幅の大きい音は空間再現性、とくに定在波についてはごまかしが効かない。kurokawaさんのところの音も、解像度や楽器のプレゼンスには問題はないとおもうのだけれど、かなり音が飽和状態になって、それがスピーカの外にひろがる空間的な響きを犠牲にしてるようにおもう。ためしに、失礼して部屋の境の扉を開けるとそちら方向の飽和はかなり解消されて、すっきりとした空間が生まれた。でも、これだと左右のバランスが悪くなるので難しいところ。
 定在波については、物理的な部屋の条件に依存していまうから、あまり書いてもしょうがないのだけど、せっかくクリアでバランスのいい再生音なので、ちょっともったいないとおもってしまったのであえて書かせていただいた。じゃ、どうすればいいかなんて俺のようなトーシロには具体的な知恵などないのであるが…。
 kurokawaさんの目指す音の方向は明確だし、不利な条件の中で虻蜂取らずの小手先の対処にとらわれず、焦点を定めていらっしゃる音なので、聴いていて気持ちがよかった。

 じつはこの記事の内容はずいぶん前に書いていたのだけど、下書き保存に失敗して全部消してしまった(^^; 仕事も詰まっていたこともあって、きょうになって(4月16日)再度書きました。
 この間、kurokawaさんはSACDをESOTERICのSA-60(!)に換えられているので、音の密度がさらにアップしているのではないかと予想している。

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 で、自分のところのことも、そろそろ書かなければとおもってはいるので、とりあえず予告。
・ELECTROCOMPANIET: AW100DMB
・Counterpoint SA-5.1=upgradeチューン
 この2つは近日中にちゃんと書かないと(^^;

大いなる逃避

(3.2修正:太字→訂正/青字→追加)

 本来なら週明けの月曜日までに済まさねばならない仕事のあった先の週末。仕事を始めようとすると、こんな仕事していてよいはずがないなどと考えなくてもよいことが頭をよぎり、ならばさっさとケリをつけて次のステップに向えばよいのに、何がおもしろいのか、考えるべきことよりも考えなくてよいことばかりが頭をめぐり、ついにはパタリとノートパソコンを閉じ、仕事を放棄した。
 こういうときは、まったく別のことに集中するに限るというわけで、しばらく前から気になっていたオーディオのハムノイズ取りに専念する。ppな音楽じゃなければ気にならない程度だが、弱音の静寂にノイズが乗るのは精神衛生上もよろしくない。
 あれじファイトさんから譲り受けたエレコンのAW100MBはバランス接続を前提としたかなり特殊なアースラインをとっているようでノイズを拾いやすい。だいいち、ライン入力からして左右チャンネルともホットとコールドプラスとマイナスでバランスをとるということ自体特殊である。そして、アンバランス接続する際にはマイナス側のジャックにショートピンを挿してHOTとCOLDを短絡させるという指示がある。SA-5.1にはバランス出力はないのでこの方法で接続しているのだが、そこで空いているXLR入力端子がノイズを拾ってる可能性を疑い、XLRプラグを買いこんでシールドとアースをショートさせるという対策をほどこした。結果、ハムがすっかり消えて「やり〜♪」と思ったら、ただ信号がゼロになっただけで音も出ない(苦笑)。こいつはかなり特殊で手ごわい。と思いきや、2番ピンと3番ピンを間違えていた*1。これでは音が出るはずはない。あらためて1番と3番をショートさせてXLRジャックにつないだが、ハムは以前のままだ。で、あらためて別に買っておいたXLR→RCA変換ピンを使ってXLR端子に入力してみたが、やはり状況に変化はない。
 あれこれ考え込みながらプリ側も含めて対策を講じる錬ること数時間。(中略)…物事は単純なことほど見過ごしやすい。何のことはない、最後に「もしや」と思いダメもとで電源ボックスを移動させてアンプから離してみたら、ウソのようにノイズが消えた。やれやれ、何事も俺は遠回りしないと核心には至らないめぐり合わせのようだ。
 ま、せっかくなので、ついでにオーディオの背面にヘビのようにうねっているケーブル類の配線を整理して、徒労を埋め合わせて自己合理化を果たす。
 
 ここまでで、約4時間。
 さて食事を挟んで、次は、すっかり家族のテレビ観賞用になってしまった300Bアンプ(TU873LEとはいえ、300Bでテレビを見てる家庭はあまりないだろう)、左チャンネルから音が出なくなってほっといたままかれこれ3週間以上。
 回路上の電圧はすべて正常で、こいつもけっきょく最後まで原因が突き止められなかった。…(中略)…俺の頭ではまったく解読不可能な不思議な現象に頭を抱える経験をいくつかしながら…(再び中略)…(さらに中略)…、最終的にカップリング・コンデンサを交換して問題は解消(いきなり解消/笑)
 ここまでで、休み休みとはいえさらに約6時間、計10時間以上を費やす。日曜の夕方から作業を始めて、けっきょく2つの作業を終えたのが月曜の朝の5時。

 仕事の遅れはいまだに取り戻せていない。バカである。

*1:XLRピンなんてものを手に取ってみたのは初めてなので、製造元のノイトリックのHPでピン配列を確認したのだけど、どうみても方向を示す出っ張りが逆に見えるんだが…。現物にピン番号が印字しているのに気付いたのは、かなりの時間頭を悩ませたあとのことだ/^^;

アンプネタ2題

●ELECTROCOMPANIE: AW100DMBだが、足元の板の素材やインシュレータでこれほど音が変わるアンプは初めてだ。けっきょく、コリアンボードの上に黒檀ブロック→IXOS の金属製のピンポイントインシュがいちばん高域と低域のバランスがよく、楽器の存在感も確かになる。
 ただ、下手に手をくわえると、付属のゴム脚よりも悪くなる。
【追記】2.6
変更:IXOSのインシュレータをはずし、山本音響の黒檀インシュPB10に変えた。こっちのほうがいい。

●CDをかけようとして不注意でサブの樽スピーカをスタンドから落としてしまい、ユニットのネジが外れた(;; そのうえ、落ちた拍子に床に直置きしているTU-873LEのボディに当たって配線が切れかパーツが飛んだかしたらしく、左チャンネルの音が出なくなってしまった。300B真空管が無事なのが不幸中の幸いだが、踏んだり蹴ったりである。あす、開腹手術しないと(ToT)/~~~