MUSIK

XRCD

最近話題のXRCDとやらを聴いてみた。 http://www.hmv.co.jp/product/detail/2570174 サンプリングの仕組みとかなんとかCD解説の最後に書いてあるが、読んでも原理はよくわからない(技術屋が書く文章は技術屋にしかわからないように書いているのだろうか)。…

西山まりえのマニエリスム

知人がたちあげた新レーヴェルAntronello MODEから年明け早々バッハの鍵盤音楽全集を順次録音していくというチェンバロ奏者西山まりえのplays Bachシリーズの第1回リサイタルを聴きに行った。西山のバッハはすでにコジマ録音から《フランス組曲》がリリース…

レクチャー・コンサート

法政多摩キャンパスのレクチャー・コンサートでプレトーク。それにしても遠い。自宅からたっぷり2時間以上。80年代にさかんに都内の大学が郊外キャンパスを移したが、こうして実際に行ってみると、俺などとても4年間もまともに通う自信はない。もっとも文学…

木曜日は大泉学園に結集せよ!

今週の木曜日(明後日)、少し前にここでも紹介した黒田京子のリーダー・セッションによるコンサートがあります。お時間のある方は、ぜひいらしてください。というわたしも、ようやく今日になって行けることになったんですけどね。 最近、体調を崩されていた…

間章

中間楽章というクラシックの音楽用語を打ち間違えた、あるいはDeleteし間違えたのではない。間章(あいだ・あきら)という人名である。 いま、間章(1946-1978)という32歳で世を去ったことばの真の意味で批評をなし得た希有な音楽評論家のことをどれだけの…

冥王星

冥王星が太陽系の惑星から除外されるらしい。 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060824k0000m040190000c.html もともと惑星の定義がはっきりしなかったところへ、カロンだのセレスだのといった矮惑星が発見されたことが論議に拍車をかけたそうだ…

Do you like B?

BはBrahmsのBである。とはいえF.サガンの『ブラームスはお好き』を英訳で読んだとかいうのではまったくない。このタイトルは、1年だけ大学の同級生だったジャズ・ピアニストの黒田京子のリーダー・アルバムのタイトルである。1年だけだったのは、2年に進級…

もしもピアノが弾けたなら…

残念ながら俺はピアノがほとんど弾けない。ステレオもラジオもないという希有な環境で育ったのだから、当然ピアノだってあったためしがない。中学や高校の放課後にこっそりピアノを独学したことはあるが、たかがしれている。 だから、ときどき、老後の楽しみ…

シド・バレットが逝った(2)等身大の狂気

日中にシド・バレットの訃報を知ってから、仕事の手をときどき休めながらずっと何を書くべきかかんがえていた。帰りの電車の中でも。事務所にペンを忘たせいで、浮かんでは消えることばを書き留められずに。 しかし、なぜだろう。なぜ、彼の死がこれほど想念…

シド・バレットが逝った(1)

http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=HKK&PG=STORY&NGID=mour&NWID=2006071101005711 心情的には、ベートーヴェンの原稿など書いてる場合じゃない…。

視聴用CDを間違えた

先日予告したAQUAと1541えぴの比較視聴をしようとして、まずはピアノ曲を聴いてみることにして、ずいぶん聴いていなかったポゴレリッチのブラームスの中期・後期のピアノ小品集をかけたのだが、聴き始めたらDACの視聴どころではなくなってしまった。演奏がす…

きょうは岩城宏之さんが…

昨日、リゲティが亡くなったと思ったら、きょうは岩城宏之さんが亡くなった。 http://www.asahi.com/culture/update/0613/012.html できすぎの話のようだが、記憶に間違いがなければ、リゲティの曲をナマで最初に聴いたのは岩城さんがN響を振った「ロンター…

リゲティ追悼

リゲティの訃報を知った。http://www.gyoergy-ligeti.de/ 先日、彼の「レクイエム」と「アトモスフェール」「管楽のためのバガテル」を聴いたばかりだったので、はからずもそれが彼自身に向けるレクイエムになってしまった。60年代のクラスター音楽の時代か…

雷にうたれてマーラーのハンマーの一撃について考える

某出版社に向かう途上ひどい雷雨に遭った。いちばん激しいときに外を歩いていたものだから、あまり着ることのない麻のスーツの裾がびしょ濡れになった。 それに、雷のすごかったことといったら…。地響きをあげるほどのとつぜんの雷に心臓が悲鳴をあげた。 そ…

孤独が流れる音

あれこれのことが停滞している理由を考えてみたところで、その晩の音楽が気持ちよく聴けるわけがないなんてことは、10代のころからわかっている。逆に音楽に集中することでその理由に存在論的な意味付けをすることで澱みを言語化し、某かの快楽を得ることが…

クラシック音楽に薀蓄は必要か(その3)

コロッケの喩えはいたく評判がよろしくない。べつにフレンチが高級とかクラシックが高級とかの価値観が入るような書き方はしてないはずなんだけど、どうも読まれる方の多くはそういう先入観があるような気がする。すくなくとも、俺がそういう価値のもとで書…

クラシック音楽に薀蓄は必要か?(その2)

まず、昨日の最後の文章を以下のように訂正する。 「つまり、クラシック音楽は料理人が作った料理である、という前提にたてば、フレンチの料理人がつくったコロッケなんか食べたくない、というのがplatycerusさんの立場で、フレンチのコロッケも町のコロッケ…

クラシック音楽に薀蓄は必要か?(その1)

前回のエントリーで俺自身のクラシック音楽との距離のとり方を「原点回帰」という言葉を使って書いたら、id:platycerusさんが反応してくれて自身のblogで「クラシック好かん理由」を書かれている。ふむふむ、それぞれの指摘は至極もっともで、なるほどと頷く…

原点回帰??

以前書いたことがあるかもしれないが、クラシック音楽とかなり距離を置いていた時期があった。もちろんぜんぜん聴かなかったわけではないが、そのきっかけは高校時代に建築家なんてものに憧れて現代美術や現代詩、つまり同時代的に受容できる前衛芸術に興味…

Edgar Froese

このところの落ち込みで、大げさな管弦楽とかが多少うっとうしくなって、小編成の室内楽とかピアノ・ソロなんかを聴いていたのだが、先日、一昨年に分担執筆したプログレッシヴ・ロックの本をぱらぱらとめくっていたら、急にTangerine Dreamが聴きたくなった…

奥さんのこと(3)

というわけで、うちの奥さんネタの続きである。 前回も書いたように、彼女はクラシック音楽に詳しくはぜんぜんない。鳴っている音楽が「好きか、嫌いか」という感覚的な判断が何よりも優先される。とくにCDを聴くときはそうだ。連れだってナマを聴く場合には…

奥さんのこと(1)

わたしはウィークデーは家族の顔を見る機会がないという不良中年である。よって、週末はできるだけ家族といっしょに過ごすようにしている。息子はもうすぐ中3なので最近は親離れが進行中であることもあり、夜は奥さんとワインを飲みながらあれこれ話をして長…

落とし前

ある程度は予想してはいたが、一部の方にはずいぶんと誤解を与えたようだ。「女声ヴォーカルを聴かない理由」を問われたら、khimairaさんの言うように「好きじゃないから」でもいいんだけど、少なくとも俺には「なぜそうなのか」を自分自身の言葉で説明した…

女声ヴォーカルを聴かない(聴けない)理由

ノラさんとたかはしさんから、なんで女声ヴォーカルを聴かないのかなぁ、みたいな質問があったので、俺が女声ヴォーカルを聴かない理由がどこにあるのか、ちょっと考えてみた。もっとも現実的な理由は、女声ヴォーカルのCDを買う余裕があるならもっとほかに…

聴き納めと聴きはじめ

「マタイ」なんていう音楽史上の大曲を聴いたあとは、日をまたいでも、その後の数枚はあまり肩の凝らないものを聴くわけで、昼間はビーバーの「ロザリオのソナタ」asin:B00005FHM0、ヴィヴァルディの「四季」asin:B00005MS1Tいた。「ロザリオのソナタ」はバ…

年末行事

昨年も書いたように思うが、年末行事のひとつにバッハの「マタイ受難曲」を聴くというのがある。これを聴いたあともあれこれ聴くわけだから、その年の最後を締めくくる音楽というわけじゃないが、1年の仕事を終えたあとでこれを聴かないと1年が終わった気が…

室内オーケストラの《悲愴》

PPPアンプのパワーについて触れたので、先日行ったコンサートのことを思い出した。メインプログラムはチャイコフスキーの《悲愴》交響曲である。演奏したのは俺がいま日本でもっとも才能がある指揮者の一人と思っている友人が立ち上げたプロの室内オーケスト…

データベース

もろもろの状況が好転しているわけではないが、気力だけでもポジティヴにならんといかん、ということで、昨晩は近くで事務所を構えている仲間と情報交換と称した酒宴を繰り広げたおかげで二日酔いである。ほどほどにせんとな。 で、音楽の話。何人かの方に滅…

樽とJAZZ

樽スピーカが来てから、jazzを聴く機会が増えた。はじめはスピーカの個性を確認するための意味合いが強かったのだが、聴いているうちに昔LPで聴いたjazzをいろいろ聴き直したくなってきたのだ。昨日も仕事帰りに、クラシックとあわせて定番もののjazzを数枚…

田部京子のシューベルト

ぐったり疲れた帰りの電車の中で、ふとこのCDが聴きたくなった。 シューベルト/ピアノ・ソナタ第18番、第13番(pf)田部京子 シューベルトのピアノ・ソナタには、アファナシェフによる禁断のCDがあるが、さすがに疲れているときに聴くと、もうどうでもよく…