THETA Data BasicⅡ、あるいはトランスポートの力(上)

 トラポがボトルネックだろうと書いたのが、ちょうどひと月まえ。とはいえトラポの力は未知数なこともあり、正直いってその効果は予想がつかないものだった。サプでごくたまに使うTEACのCD-5にしたって、けっして観賞用に神経を使って聴いているわけじゃないし、ARCAMのCD82Tじたいこのクラスとしてはかなり精度の高い読み取り能力をもっているとおもうので、CD-5程度のCDPと比べてトランスポートの能力を云々すること自体がナンセンスだ。仕事部屋のSONYのCD333ESDにしたって状況は同じ。つまり、すくなくとも自宅のシステムではという限定がついても、まだ真の意味で“トランスポート”の力を知らないといえるわけだ。
 そんなこともあって、トランスポートの導入にはなかなか踏み切れなかったのだけど(もちろん金がないことがもっとも大きいことは言わずもがなだ)、ついにヤフオクのUSEDだが導入に踏み切っり、それが先週の金曜に届いた。
 THETAのData BasicⅡ 

 ウォッチしていたものの最終的な踏ん切りはつけられずにいたところに、トラポを探しているならということで、khimairaさんがまさにその出品を「こんなのありまっせ」と知らせてくれてことに、結果として背中を押された格好だ。khimairaさんは以前、モデルチェンジをするまえのData Basicを使っていた経験があったそうで、とくにジッターの軽減精度の優秀さについて教えていただいた(シッター処理にデジタルプロセスを用いずメカニカルにアナログ的に追い込んでいくという姿勢も高く評価されていた)。なんでも発売当時はジッター制御は世界一を誇っていたそうだ。もちろん、俺など詳しいことはわからないんだけど、時流に反してまでそういう手のかけ方をした製品ということに、ひじょうに興味を引かれたわけだ(こういう部分に弱いかも/笑)。おかげで、軽く予算オーバーで、もう逆立ちしても屁も出ない。
 届いた製品は大切に扱われていたようで傷ひとつなく、出品者の方とのやり取りのなかからも問題なく使い続けることができる個体であることも納得できたのでひとまず安心。ま、万が一トラブルが生じてもステラのメンテナンス対象リストにもあがっているので、Philipsのスィングアームメカ(CDM-4)がいかれない限りだいじょうぶだろう。
 というわけで、以前のシステム構成図はこのようになった。グレー表示部分は現在ショートカットしている。(なぜか、以前の構成図のほうはちょっと手を加えたらアップロードできなくなってしまった)

 で、肝心の音のほうだけど、これまでの変化とは質的に大きく違うので、インプレは数日中にアップします。