大いなる逃避

(3.2修正:太字→訂正/青字→追加)

 本来なら週明けの月曜日までに済まさねばならない仕事のあった先の週末。仕事を始めようとすると、こんな仕事していてよいはずがないなどと考えなくてもよいことが頭をよぎり、ならばさっさとケリをつけて次のステップに向えばよいのに、何がおもしろいのか、考えるべきことよりも考えなくてよいことばかりが頭をめぐり、ついにはパタリとノートパソコンを閉じ、仕事を放棄した。
 こういうときは、まったく別のことに集中するに限るというわけで、しばらく前から気になっていたオーディオのハムノイズ取りに専念する。ppな音楽じゃなければ気にならない程度だが、弱音の静寂にノイズが乗るのは精神衛生上もよろしくない。
 あれじファイトさんから譲り受けたエレコンのAW100MBはバランス接続を前提としたかなり特殊なアースラインをとっているようでノイズを拾いやすい。だいいち、ライン入力からして左右チャンネルともホットとコールドプラスとマイナスでバランスをとるということ自体特殊である。そして、アンバランス接続する際にはマイナス側のジャックにショートピンを挿してHOTとCOLDを短絡させるという指示がある。SA-5.1にはバランス出力はないのでこの方法で接続しているのだが、そこで空いているXLR入力端子がノイズを拾ってる可能性を疑い、XLRプラグを買いこんでシールドとアースをショートさせるという対策をほどこした。結果、ハムがすっかり消えて「やり〜♪」と思ったら、ただ信号がゼロになっただけで音も出ない(苦笑)。こいつはかなり特殊で手ごわい。と思いきや、2番ピンと3番ピンを間違えていた*1。これでは音が出るはずはない。あらためて1番と3番をショートさせてXLRジャックにつないだが、ハムは以前のままだ。で、あらためて別に買っておいたXLR→RCA変換ピンを使ってXLR端子に入力してみたが、やはり状況に変化はない。
 あれこれ考え込みながらプリ側も含めて対策を講じる錬ること数時間。(中略)…物事は単純なことほど見過ごしやすい。何のことはない、最後に「もしや」と思いダメもとで電源ボックスを移動させてアンプから離してみたら、ウソのようにノイズが消えた。やれやれ、何事も俺は遠回りしないと核心には至らないめぐり合わせのようだ。
 ま、せっかくなので、ついでにオーディオの背面にヘビのようにうねっているケーブル類の配線を整理して、徒労を埋め合わせて自己合理化を果たす。
 
 ここまでで、約4時間。
 さて食事を挟んで、次は、すっかり家族のテレビ観賞用になってしまった300Bアンプ(TU873LEとはいえ、300Bでテレビを見てる家庭はあまりないだろう)、左チャンネルから音が出なくなってほっといたままかれこれ3週間以上。
 回路上の電圧はすべて正常で、こいつもけっきょく最後まで原因が突き止められなかった。…(中略)…俺の頭ではまったく解読不可能な不思議な現象に頭を抱える経験をいくつかしながら…(再び中略)…(さらに中略)…、最終的にカップリング・コンデンサを交換して問題は解消(いきなり解消/笑)
 ここまでで、休み休みとはいえさらに約6時間、計10時間以上を費やす。日曜の夕方から作業を始めて、けっきょく2つの作業を終えたのが月曜の朝の5時。

 仕事の遅れはいまだに取り戻せていない。バカである。

*1:XLRピンなんてものを手に取ってみたのは初めてなので、製造元のノイトリックのHPでピン配列を確認したのだけど、どうみても方向を示す出っ張りが逆に見えるんだが…。現物にピン番号が印字しているのに気付いたのは、かなりの時間頭を悩ませたあとのことだ/^^;