泣いた…。

めったいにないことだが、打ち合わせのあと直帰して、きょうは9時前に帰宅した。俺がワインとチーズで軽い食事をしている間、奥さんは風呂に入り息子は中間試験の準備で自室。その間、俺はたぶん初めて「プロジェクトX]を定時に見た。番組開始から最後まで涙が止まらなかった。大阪守口市の工業高校合唱部のドキュメント。すさんだヤンキー工業高校に赴任して1年で合唱部を立ち上げコンクール銀賞をとった教師と生徒の話だが、企業ものが多い中でこうした話はちょっと異質だ。オケもブラバンもなかった都立高校で、何とかブラバンくらいは立ち上げようと入学直後から奔走した記憶がよみがえってきた。生徒会の文化部長になり、友人を生徒会長に祭り上げて予算獲得の裏工作を仕掛けたりね。けっきょく、都立高校の予算枠では楽器の購入など無理という話になったのだが、その間、独学ながら音大入試レヴェルの音楽の基礎を身に付けていたものにしてみれば箸にも棒にもかからない既存の合唱中心の音楽部であれこれ中心的に活動しているうちに、後輩の中から合唱を目指す奴が出てきたりした。ひとりは早稲田のグリーに入っていまでもコーチをやってるし、もうひとりは高校の音楽教師になって合唱曲を作りつづけ、いまではどんな教科書にも彼の作品が載っているような、その道の大家になりつつある。同学年でも、普段はツッパリ・グループにいるリーゼント+ボンタン・スタイル(死語だよね)の野郎が入部してきたりもしたし、俺と一緒に奔走していた友人はレコーディングエンジニアとして頑張ってる。そういたことを思い出すと、俺も番組の教師(国語担当)みたいなことに生き甲斐を感じることもできたんだろうな、と思う。ま、そんな経験もあって、ただでさえ泣きのツボを刺激する番組の仕掛けに乗りまくってしまい、涙が止まらなかったわけ。深夜の再放送を録画して、息子に見せるかな。