LP

LP環境を再び整える機会は、もうおそらくないだろうということで、残っているLPを処分にかかっているが、こうしてリストアップしてみると、もったいないなぁと思ったりもする。音楽そのものだけではなくて、それらを聴いていた頃のこと、聴きながら考えていたことなどが猛烈に鮮明に思い出されるのだ。写真なんかよりもずっと強烈に。記憶のアルバムというところだろう。ポップス系、歌謡曲アイドル系以外のコンテンポラリーはジャンルを問わず、浅く広くかもしれないが聴きあさっていたわけだが、最近はめっきりご無沙汰していて、いつの間にかCD棚にはクラシックしか残っておらず、それらが一方的に増殖するままになっている。歳を感じるが、元の鞘に戻ったとも言えるわけで、あまり無理することもないだろう。ところで、俺たちの時代には、コンテンポラリーという枠組みがあって、ジャンルを問わずアヴァンギャルドなものならばとりあえず聴いてみるというカルチャーがあったが、今の若い世代にはそういうものがあるのだろうか。あるとしたらどういう部分で各ジャンルが通底しているのだろう、などと考えるが、若い世代に知り合いが減ってくると、そういった情報にも無頓着になる。かれらが、俺と同じくらいの歳になったとき、こうしてLPのジャケットを見ながら思い返しているようなどんな時代の記憶があるのだろうか。なんて、しんみり考えてしまうのである。
ところで、事務所にあるべきLPが半分くらいしかないから、CD-Rを頼んだ知人のところにあるはずだと思って連絡してみたら、戻したという。自分でもどこかで見た気がするが見当たらない。SPKやスロッピンググリッスル、ジョイ・ディヴィジョンやDOME、E・ノイバウテンサイキックTVなどのポストインダストリアル系のものや、70〜80年代の西欧の現代音楽モノなど、思いっきり思考の核として記憶に残っているものばかりで、けっこうショックが大きい。しかし、どこかにはあるはずだから、焦らずじっくり探してみる。
で、「じんそん球バッファDAC」は、昨日は時間がなかったので、今晩、もう一度電気的なチェックをしてみるつもり。