研究員?

まったくオーディオや音楽とは関係ないのだが、きょう昼飯を食いに出てあまりに腹が立ったので書いておこう。
俺は坦坦面が好きで、ときどき近くのお気に入りの中華飯店で坦坦麺を食べる。中国から帰化した先代が神保町の裏通りで始めた店で、いまは2代目ががんばって表通りに本格的な中華飯店をだしてけっこう繁盛している。驚いたことに、その2代目の姉というのが俺の中学校時代の同級生だった(そんなこともあってこの事務所の開設祝もそこでやってもらった)。そこの坦坦麺は麺にもゴマが練りこんであってそれだけ食べても旨い。――いや、話はそこのことじゃなくて、つい最近、別の通りにできた坦坦麺と麻婆飯の大看板を掲げている店のことだ。チェーン店なのかどうか外からだと微妙なかんじでよくわからないが、ま、坦坦麺好きの俺としてはチェックしておかねばならないというわけで入ったが、厨房も含めて20坪ほどの店内にいる若い店員が8人(人件費高すぎるだろ!)が、店に入るなり、いきなり「いらっしゃいませ〜」の大合唱。ファーストフードのノリである。これだけで願い下げだが、前後して店を出た客にも「ありがとうございました〜」の大合唱。ひとりが声をかけてほかの店員の呼応がないと全員が声をそろえるまで繰り返す。何か接客ということを勘違いしてないか? マニュアル化もいい加減いしてほしい。接客のマニュアル化の傾向については言いたいことは山ほどあるが、ま、寛大な俺としては坦坦麺がうまかったら許してもやったが、これがまた「マズイ!」。「旨くない」というのではなく端的に不味いのである。ふつうの中華麺スープに坦坦ソースをぶっ掛けたような味で、旨みと辛味もまったく分離しているし、麺もカンスイをそのまま食ってるような味気ない代物。ふつうの中華やさんが「坦坦麺作ってみたんだけど、どうかなぁ」というノリでつくったのなら同じ味でも許せる。しかし、えらそうな看板を掲げて、ファーストフードのノリでこの味を出されては、客をなめてるとしか思えない。これで値段は800円である。最初に書いた俺のお気に入りの店の坦坦麺だって950円で、日によってはサービスで半チャーハンがつく。圧巻はメニューの余白に書かれた「ティッシュをご要望の方は研究員にお申し付けください」という文字だ。「研究員ってだれのことだ??」「客は実験台か?」 決定的に間違っている! こいつら(ここの経営者)は、客を客と思っていない! 自分の腕がまだ未熟でも、美味いものを一生懸命作って食べてもらおう、という気がまったくない! それを読んだとたん俺は食う気をなくした。飯を残すということはまずない俺に全部食わせないのだから、その意味じゃたいしたもんだ。
最近、この街も都市再開発計画の一環で、外からの資本参加が徐々に増えてきて新しい店が次々にできる。しかしここはいまの住所だけの神田じゃなくて、生粋の神田だぜ! 客をなめんじゃねーよ。ファミレス感覚で偉そうに店出されたんじゃあ、裏通りの古くからの食堂や料理屋が泣くじゃねぇか。
中学校からこの街に縁のある俺は、この街の最近の変貌には腹が立つことが多いのである。
つまんねぇもん食わせやがるから、つい時間をつかって書いちまったじゃねぇか。仕事だ、仕事で〜ぃ