「痴虫」

知り合いのデザイナーの事務所で「痴虫」なる銘柄の日本酒を飲んだ。残念ながら写真を撮っていなかったので、蔵元のリンクを貼っておく。
http://nt.sakura.ne.jp/~ishihara/12.1chimushi.html
これが、日本酒のラベルである。佐伯俊男という画家を知っている人ならば、タイトルを見ただけでピンと来たはずだ。そうでない人も、どこかで隠れてこっそり眺めたことのある絵柄であるに違いない。佐伯俊男は、いまは無き「SMセレクト」や現役で頑張っている「SMスナイパー」の口絵などでお馴染みの画家である。どういう経緯は知らぬが、その佐伯の同名の代表的な画集からセレクトした現代の「春画」がラベルになっているのである。酒としては、可もなく不可もないが、旨い酒のない群馬の酒としては上位ランクではある。デザイナー氏が準備していたのは「痴虫1号」と「痴虫2号」、この「号」という分類がまたそこはかとない淫靡な雰囲気をただよわせていてよろしい。
こういう酒は男だけで飲んでも面白くない。洒落のわかる元文学少女がいっしょがふさわしい。澁澤龍彦などにかぶれた経験があればなおよろしい。というわけで、男女5人で2本空にした。