アイソレート・レギュレータ

先日、電源を仮組みのACアダプタからトロイダルトランスに替えて本来のポテンシャルを発揮して好調のaquaだが、ふと思いたってCSEのアイソレート・レギュレータから100Vをとってみた。デジタル系はレギュレータを通したほうがいいのはDACを導入する以前からの経験でわかってはいたが、旧タイプの製品でコンセント口が3ピンに対応しているのが1口しかないので、正確に言えば、配線の組み替えが面倒で先延ばしになっていたのだ。だから、ふと思いたってというより、ようやくというべきなのだが、いつか使うだろうと思って入手しておいたLevitonの分配プラグを介してレギュレータからCDPとDACに電源を供給することにした。この分配プラグは構造的にも接点がない非メッキ材を使った一体形成で、食い付きも驚くほどしっかりしているのでオーディオ用途としても充分に使える。
CSEのアイソレート・レギュレータはAC100Vを内部で直流に変換して正弦波に近い波形の電源を供給すると同時に、アイソレート(絶縁)もされるから電源の質に敏感なDACにはうってつけだと思う。新品だとかなり値は張るが、劣化が少ない機材だから中古でも充分使える。実際うちのも中古だが、まったく問題はないし、対効果を考えればCPはかなり高い。
で、音のほうはといえば、一聴して音の純度が上がったのがわかる。aquaはもともと解像度の高いクリアな音質のDACだから、音の濁りが取れたという表現はふさわしくないのだが、そうとしか言えないくらいに音の透明感と個々の楽器の再現性の純度が増しているのだ。どの楽器の音も立ち上がりにリアルさがあるし、とくに低域の押し出しがずいぶんとよくなったために音楽の息づかいが手に取るようにわかる。大げさな表現としてではなく、まったく予想以上の効果だったことに驚いたほどだ。
電源をトランス供給したときの変化をDACの機能的なポテンシャルを顕在化したというならば、アイソレート・レギュレータのクリーンな直流電源を供給したことによる変化は、音のクオリティの向上と純化ということにつきるだろう。久しぶりの快感である。

(追記)
もちろん、デジタル系以外でもレギュレータを使うメリットは大きいが、とくに球のアンプなんかだとレギュレータの出力をかなり大きなものにしなければならない。うちのは50W出力だからとてもムリ。いつかは200V電源を引いて出力の大きなレギュレータを噛ませるなんてことをやってみたいが、当分夢のまま。