はじめての禁煙

 なにが悲しくて禁煙なんてはじめなきゃいかんのか、客観的な根拠なんかないんだけど、とりあえず、昨晩からはじめてしまった。
 まだはじめて16時間くらいだけど。
 18のときからタバコを吸いはじめてるから、人生の半分以上の時間をこいつと付きあってるわけで、失恋して悲しいときも、仕事で徹夜しているときも、いつもこいつはそばにいてくれた。
 タバコを吸いたいという気持ちの多くは、そんなパートナーに対する信頼と共感によるのである、と、それを自分がタバコに依存しているわけではないという言い訳にしたところで、眼と手は、自然とタバコを探している。

 迂闊だったのは、明日飲み会があるという予定を考えずに、機械的に誕生日に禁煙スタート日を設定してしまったことだ。そのうえ、来週23日にも飲み会の予定が入ってきた。
 自分を律するなんて意識が欠如している俺にとって、禁煙のような忍耐と持続を要するゲームは、とても旗色が悪い。