成り行き上インバル最終コメント

いちいち、聴いたコンサートのことを書いていたらたいへんだが、インバル/ベルリン響のことは2回とも書いてしまったので、成り行き上、3回目のコンサートのことも書いておくのが筋というもんだろう。メインはマーラー交響曲第5番。昨日のインバルは絶好調だった。体の切れがぜんぜん違っていたし、そのため、音楽のごく細部にまでインバルの意図が明瞭に刻印され、緻密このうえないマーラーだった。彼としても納得のいく演奏会だっただろう。オケもインバルの意図を細大漏らさず受け止めていた。おそらくいまとなっては、これ以上の演奏はドイツでもめったに聴けないだろう。それだけに、体調が最悪の状態だった9番の演奏は惜しい。
引けたあとで、今年からK大の教授に昇進する友人と、音楽やそれをめぐる文化状況なんかについて、けっきょく朝の4時半まで話し込んでしまった。おかげできょう一日、最悪の体調だったよ。