DACの音?

オーディオに積極的に関与しはじめて以降、信号の入口であるCDPと出口であるスピーカ以外は、アンプのみならずケーブルや電源も含めまったく環境は変わったし、自分なりにあれこれ手を付けてきたつもりだが、今回組み立てたDACを聴いていて、大げさな話ではなく、ちょっとしたパラダイムシフトが起こっている。つまり、元の音源て何だという話だ。ケーブルや電源環境を変えたところで、所詮もとの情報をいかにうまく伝送するか、クオリティを変化させるかということに留まるし、アンプにしても基本的にはその延長上にある。だが、DACを換えることは、それとはまったく違う変化なのだ。色彩感や楽器どうしのコントラストのが強い曲ではあまり気付かなかったが、きょうブルックナーの第7交響曲を聴いていたら、ケーブルやアンプを換えたときの音の違いとは次元の異なる変化であることに気付いた。あとで、第1楽章の冒頭を10回以上、内蔵DACとjinson DACで切り替えながら聴いてみたが、この変化をあらわす言葉がみつからない。というのは、まったく異なった録音を聴いているような感覚だからだ。弦楽器のトレモロと旋律線のバランスがぜんぜん違うとか、jinson DACのほうが腰高だとか、距離感が近いとか、いちいち抽出することが無意味にすら思える。いってみれば、EMIとデッカの録音の違いを再生装置の違いとして云々することの無意味さに近い。別の角度から考えれば、DACを換えることは録音されている基本情報を操作することなのではないだろうか。極端な話、このCDのレビューを書くとしたら、内蔵DACで聴くのとjinson DACで聴くのとではかなり違ったものになると思う。などということにあれこれ思いをめぐらしている。
というわけで、きょう届いたデジタル・ケーブル装着之図。

スーナーのケーブルに角形の削り出しピンジャックをつけたもの。格好だけで買ってしまった。