パワーアンプにヒューズがない?

そんなことはあるのだろうかと思いつつも、自分の目を信じるしかない。MC805AAのトランスの唸りがずっと気になっていたところに、最近普通の唸りに、わずかだが高周波のキーンという音が混じるようになったので、先日、トランス固定のためのネジを一度締め直してみようと、30kgの重い函体をよっこらしょと降ろして底板をあけて、ネジを締めなおしてみた。ついでに、こいつにも石英サンド入りのヒューズを奢ってやろうと中を見渡してみたが、どこにも見あたらない。ん? てな感じだ。複数の基板を重層的に使ってるわけでもないごく普通の配線材を使った真空管アンプの配線だから、隠れる場所があるとすれば、トランスボックスの中だけなのだが、そんなところにヒューズがあるとはとても思えない。ヒューズを使ってないパワーアンプなんてありなのか? 何らかの原因で回路がショートしたらどうなるんだ? 高価な真空管が逝ってしまうだけでもたいへんなショックだが、ほかの機器に与える影響などを考えるとかなり不安になってしまう。こんな状態では、アースととるにしても、現システムでは必需品であるアコリバのスーパー・アースリンクなんてもんじゃなくて、本格的な大地アースを取らなきゃいざというときは役に立たないかもしれない。普通に使っているぶんには問題ないだろうから、それほど深刻には受け止めていないが、中国ではこういうのもありなのかな。とりあえず、音質悪化の要因のひとつであるヒューズがショートカットされていると楽天的に思ってみる。…それにしても、半田付けはきれいじゃないね。俺なんかにそういわれちゃいけませんよ。で、半田部分や裸線部分を無水アルコールで清掃をしたあと銀粒子入りのオーディオオイルを塗って底板を閉めた。
で、トランスの唸りだけど、2/3ほどにはなったが、まだ消えない。視聴ポイントからはほとんど聞こえなくはなったが、こいつがハムノイズの原因にもなることなどを考えると、精神衛生上はあまりよろしくない。