アンプとDACの相性

いま使っているDACjinsonさんから借り受けているTDA1543のノンオーバーサンプリング4パラDACである。エージングを兼ねてということもあり長めにお借りしている。MC805AAとTU873LEの比較はじつはそのDACを使ってのものだ。そろそろお返ししなければならないので、常用のTDA1543球DACに戻してみた。そうしたらどうだ、これまで805AAを凌いでさえいたTU873LEが一気に生気を失ってしまった。深く引き締まった低音が出てこないし、木管の空気感もそれぞれの楽器の実在感も希薄なのだ。驚くほど素晴らしかったピアノの弦の響きもリアルさも出てこない。誇張でもレトリックでもなく、805AAを凌いでいた部分がきれいさっぱりなくなってしまった。で、アンプをMC805AAに戻してみたらこんどは、どの要素をとってみても805アンプの圧勝。解像度の高さや音の抜け、粒立ちの良さはさすがだ。つまり、TU873LE(300B)と常用のTDA1543球DACの相性がよくないわけで、両方の良さを打ち消してしまっているようだ。805AAの場合だと、1543/4パラでも1543球バッファでも、それぞれの音の特徴の差異は充分にわかるが、どちらでもまったく破綻がない。逆にいえば、1543/4パラとTU873LEの相性が抜群にいいということになる。300Bと球バッファの相性が悪いのだろうか。そうだとすると、近々届く予定の1541球DAC基板との相性が気になる。
それにしても、これほどDACの組み合わせで変化があるとは、オーディオの相性というのは不思議なものだ。問題は、1543球DACでTU873LEを聴くことが空しくなってしまったことだ。1543/4パラの基板も追加しようかなぁ。DACばかり増えてもしょうがないんだが。悩む。