猫(18日)

いつもどおり深夜に帰宅してみると、スライド式の門扉にまだ若い猫がパイプの間に足を挟まれて宙吊りになって悲鳴を上げていた。身動きが取れない状態だ。いつもはうちの庭を通り道にして悪さばかりしているが、こうなると放ってはおけない。なめていたわけではないが、脚を外してやろうとしたら、すごい形相で爪を立てて俺の手に噛み付いてきた。向こうは窮地を脱するために必死だから、俺が助っ人であるかないかなんて関係なく己の生命力のすべてを爪と歯にかけてきたわけで、この攻撃のすさまじさといったら、やはりこいつらは猛獣だよ。その抵抗の激しさの反動で脚はすっぽり抜けて一目散に逃げていったが、咬まれた指の痛さは半端じゃない。家に入ってみてみたら、右手の薬指に猫の歯型でくっきりいくつも穴が開いているし、引っかき傷もいっぱい。――というわけで、指を消毒して包帯を巻いていたので、アンプいじりができなかった。