いまだ奮闘中

知識も経験も貧弱な対象に対しては生半可な知識に頼らず、理屈抜きにひとつずつ思い当たることを潰していくしかない。それこそ文字校正のようにTU-873LEの基板と回路図を照らし合わせながら確認作業を進めたが接続に問題はない。出力段の300Bのカソード抵抗をメタルクラッド抵抗から元のセメント抵抗に戻しても、やはりハムが発生する。ハムが発生するということはどこかで磁束を拾っているはずだから、可能性があるとすれば付け替えたケミコンがいずれもオリジナルのものよりも大きいために、初段と中段のカソード・バイパスのケミコンの脚が浮いていてその下に抵抗が隠れてしまっていること、出力段のケミコンが立てられないので横に寝かせているためにリード線が剥き出しであることによって脚が磁束を拾ているかもしれないなんてことも、なんの裏付けもなく考えて、初段と中段のケミコンとその周囲の抵抗をすべて外し、抵抗を基板の表に移動させ、ケミコンをできるだけ基板に密着させたが、結果は同じ。ーー残された可能性は2つ。ひとつは寝転んでいるBGのケミコンの脚か、スケルトンの金皮抵抗に替えた300Bのハムバランス用の抵抗以外に原因はない。もちろん、某かの根拠や理屈があっての判断ではない。だだの消去法である。ケミコンのほうは元のが残っているから戻してみれば確認できるが、オリジナルの酸金抵抗は残ってないから、また買い出しに出なくては。この2つの可能性を潰してもダメなら、100パーセントお手上げである。
幸いドライバー管を替えたMC805AAが、気持ちよく鳴っているから、気長に構えることにする。