読書週間??

先日書いたように、あれこれ聴かねばならない機材はあったのだが、いろいろと聴いているうちに、自分が志向する音とかそれとのかかわり方なんかが、曖昧になりつつあることに気づいて、なかなかうまく整理がつかない。つまり志向も思考も停滞気味なのである。こういうときは、頭を別の方向に使うのがいちばんなので、読みかけのものもたくさんあることだし、読書週間を決め込んだ。
今週読んだもの
小川洋子「博士の愛した数学数式」(新潮文庫
佐々木力「数学史入門」(ちくま学芸文庫
ヴィーコ「学問の方法」(岩波文庫
江戸川乱歩人間椅子」(春陽社・江戸川乱歩文庫)
「博士の愛した数学数式」は評判がいいので読んでみたが、面白くない。数論と現実がもっと微妙に絡み合うことを期待して読むほうが間違ってるのだろうが、記憶障害と数学だってもっと面白く描けそうな気がする。数学の苦手な俺の中学の息子の教材にすることにした。
「数学史入門」は大学時代、苦手だった科学哲学の基礎をもう一度さらう意味で1月から読み進めていたもの。佐々木氏は敵も多いが、こういう本をまとめるのはほんとうにうまい。ヴィーコの「学問の方法」も同じく1月から読み進めていたもの。ヴィーコは学生時代からずっと気になる哲学者で彼についての記述は読んだことがあっても、著作は読んだことがなかった。改めて「バロックヴィーコ 」(上村忠男・みすず書房)を読み返している。
江戸川乱歩夢野久作は、俺にとっては音楽みたいなもの。現実的に行き詰まったときや思考が停滞したときにはいいクスリになる。