Rose Voixおそるべし

昨日プリの不良とした問題は、けっきょくハーモネータ側の問題だった。確実に原因を把握しているわけではないが、おおまかなところは昨日の日記のコメントに書いた。
ところで、この機会にRCAケーブルをつなぎ替えて、DAC→プリ間に使っていたEcosseのSilverplatedを高安音響のNorman氏のプライヴェートブランドのRose Voix / Flagship modelに替えてみた。これまではプリ→NS2(一種のクロストーク・キャンセラーだが製作者の方にカスタマイズしていただいて入力セレクタとメイン・アンプのセレクターを兼ねている)に使っていたものだ。
この交換が大正解だった。もともとこのケーブルは繊細で透明感のある音を引き出してくれるが、DAC→プリ間で使ったほうが圧倒的によろしい。EcosseのケーブルもかなりCPは高いケーブルで悪くなかったが、こちらのほうが音の情報量が格段にアップする。これとくらべるとEcosseのほうはヨーロッパトーンではあるが、音に弾力がなくかたい印象がする。音の透明感もこちらが圧勝。また、聴覚上の解像度とS/Nもかなりアップしている。――たとえば、弦楽器でとくに顕著なのだけど、ソロや弦楽四重奏などの単楽器で聴くと弓の動きや弾みが見えるようだし、オケの弦楽合奏でもセクションごとの音がかたまりにならず微細な音の粒子が空間にさっと広がる感じ。これはちょっと鳥肌ものだった。ピアノの高域のタッチも繊細だが神経質にならず残響や倍音が遠くまで届く感じだし、低弦の沈むような芯の強さと倍音の広がりがとても心地よい。小さなホールにピアノの音が隅々まで響いているのがわかる。真空管の音の存在感に素性のよい石アンプのトーンが加わった印象といえばいいだろうか。――ケーブルもシステムとの相性や使用する場所による差が大きいということを改めて認識したしだい。
注意深い方ならば、プリ→メインの間に2本のインコネがあることにお気付きのはずで、そちらとの兼ね合いも指摘をされるだろうが、これまでも前段はいま使っているものとRose Voixの2系統を切り替えていたので、Rose VoixをDAC→プリ間に移しても試聴環境は変わっていない。
というわけで、Rose Voixのケーブルの優秀さとその真価に感服したのであった。