いきなりの晴天で浮かれついでに探し物をする

 久しぶりに青空を見た。蒸し暑いがなぜか気分は清々しい。世間もどうも同じ気分のようで、自宅から駅までのほんの7分ほどのあいだに、たぶんスーパーの特売コーナーを目指すであろう黒い日傘の主婦を何人も見かけた。黒い日傘が流行ったのは4〜5年前だったとおもうが、いまだに黒い日傘が圧倒的に多いのは、その年以来、日傘などというアイテムが流行ったためしはなかったことを証明しているな。
 黒といえば、その道すがらクロアゲハのつがいを2組と、アゲハのつがいを1組見かけた。単体で飛んでいるものも数匹(昆虫系の人たちはチョウもなぜか「頭」と数えるようだが)。ふだんこんな住宅密集地でこれほど多くのチョウに出会うことはないのだが、このところの天候の不順で自由に空中を飛ぶことができなかったチョウたちが、草木の陰から一気に飛び出してきたのだろう。あるいは、この陽気を狙って蛹からチョウになった奴らもいるかもしれない。いずれにせよ、チョウが思う存分羽をはばたかせている姿は、見ていても気持ちいい。そういえば、シオカラトンボも滑空していたな。
 で、ここ数日どうも気分がすぐれなかった俺もこの陽気ですっかり浮かれ気分になって、事務所に来るまえに、昨日買った中古ノートパソコンのバッテリーを探しに秋葉原のジャンクショップをあれこれ探索した。2時間くらい歩き回ったが、けっきょく当該機種のバッテリーは見当たらず、空振り。
 しかし、ふだんはジャンクショップは出入りしないので、たまにその近辺を歩いていると、意外なものを見つけたりする。たとえば、神保町の本屋ではなかなかお目にかかれない毒物関係の本(植物毒の抽出法と書いてあるもの)とか、合法ドラックの本、女性のための自慰マニュアル(これにはぶっ飛んだ)、廃墟潜入マニュアル本…などといったものが並んでいるコーナーがあったりする。使い方さえ誤らなければ、それはそれである種の世界観をじゅうぶんに構成している(俺が学生のころにもこういう本があったらよかったのに!)。
 というわけで、健康的なんだか、オタクっぽいネクラな散歩だったんだかよくわからないが、炎天下をずいぶんと歩き回ってきた。すこしは体脂肪が…減るわけないな。

 というわけで、お目当てのバテリーはネット通販で新品を注文した。目論見としてはジャンク品を買ってバッテリーリニューアルで容量を増やすという算段だったのだけど、ね。