レクチャー・コンサート

 法政多摩キャンパスのレクチャー・コンサートでプレトーク。それにしても遠い。自宅からたっぷり2時間以上。80年代にさかんに都内の大学が郊外キャンパスを移したが、こうして実際に行ってみると、俺などとても4年間もまともに通う自信はない。もっとも文学部は専門課程は市ヶ谷らしいが、教養課程で単位を落とすこと必定である。山手線内のキャンパスしか知らない自分はラッキーだったと、あらためて思った。
 プレトークのほうは、指揮者のI氏とフランス革命を挟んだーツァルト(40番)とベートーヴェン(田園)の間の音楽様式の展開と聴衆の変化のごく基礎的なお話と、主席チェリストのO氏を交えて現代奏法と古楽器奏法の話。
 じつは、昨晩の実相寺さんの通夜の帰りに飲みすぎて、朝も二日酔い気味で家を出たので、こまかい準備がおろそかになっていたのだけど、プロットを決めていたのでスムーズに進められたと思う。ただ、時間が短かったので、ふだんあまりクラシックを聴かないお客さんが多い中で説明不足な部分があったのではないかとちょいと心配。

 音楽ほうは、40番ではオケの調子があまりよくなかったが、田園ではさすがすばらしい和声感覚とバランスの冴えを聴かせてくれた。こういう音づくりは日本のオケではなかなか聴けない。派手でけれんみのある音づくりは一切ないからなかなか一般うけしづらいんだよなぁ。親しい友人のつくる音楽は、いいところも悪いところもつぶさに見えてしまうので、詳細は書きづらいってことで、お茶を濁す(^^;