真空管とワイン

昨日は幼馴染みでもあり、何かと志向性を共にする盟友が、ブルゴーニュのワイン(上物のキュヴェレ・シャンベルタン)とフォアグラを持ってやってきた。彼はTANNOYのTURNBERRYをLUXの純A級プリ・メインで鳴らしている。俺が球がいいと言い出したら、彼も球アンプを物色し始めているらしい。で、新年会がてら俺のcounterpointを聴いていったわけだが、彼はSA-8をいたく気に入ったらしい。曰く「大口径でもないSPからこんなに空気感が出るアンプは久々に聴いた」と。たしかにSA-8はハイブリッドのパワー・メリットもあり、押し出しも広がりも十分にあるから、そのあたりが気に入ったのだろう。休眠中のKMQ-60とも聴き比べたが、やはり投入されている物量が違うというか、こちらもSA-8の力を再認識した。KMQ60も小編成のクラシックなどでは素直に伸びる高音や繊細な響きは捨てがたいのだが、いかんせん、オーケストラを聴いたときの実在感では力の差が歴然としている。惚れ直したぜ、SA-8。
ついでに、SA-5.1の6DJ8を笛吹き童子からPhilips/ECGのものに替えてみたが、改めて聴くと、こちらのほうが音に力があって低弦や金管のゴリゴリした感じがうまく出る。音の透明度もこちのほうが高い気がする。ワインだとストレート勝負のボルドーよりもソフィスティケートされたブルゴーニュのほうが好きなのだが、SA-5.1には力のあるPhilips管のほうが好みだ。笛吹き童子は、たとえばローヌ産の淡い繊細な感じのワインに近いかな。

  • 不思議なこと

あれこれ、聴いていてふと気づいたのだが、SA-8の音のビビリがほとんど消えている。笛吹き童子に替える前からの症状だったから、SA-5.1側の球を戻したせいでもない。彼が帰ってからオーディオ的にシビアなNAXOS武満徹の作品集に収録されている「雨の樹」の7〜8分の場所を聴いても、じゅうぶん再生されている。全体的に音の再現性も確実に向上している。これがおそらく本来に近い音なのだろうが、不思議なこともあるものである。コンデンサの容量抜けが聴き続けることでなくなるわけもなかろうし…。再生条件が変わったことといえば、昨日から家人がいなくなり、俺ひとりなのでいつもより大音量で聴いているくらいなのだが、それがコンデンサに影響したなんてことも、考えにくい。
2005年初の「不思議なこと」である。

  • 風邪

どうも風邪をひいたらしい。寝る前から変だなとは思っていたが、熱があって体がひじょうにだるい。年末からちょっと無理していたせいで抵抗力が弱っていたのだろうが、今こじらせてはまずいし、かといって今日中に仕事を片付けないと本が出ない。部屋をあっためて、少しずつでも先に進めなければ…。う〜。