インシュレータ

というわけで、バイアンプは早々と切り上げて、以前から懸案であったスピーカの足回りを見直す作業に移行した。DALI/Towerのスパイク取り付け用の鋳鉄が平行が取れないほど精度も悪いし、素材そのものもあまり音質上も好ましくなさそうだったので、こいつを取り去ってみようと常々思っていたのだ。これまでは、次善策ということでスパイクだけ外して取付用の穴と大理石ボードの間にφ12mmほどの水晶球をはさんでいた。これはここれで、付属スパイクにスパイク受けを履かせるよりもTowerの膨らみがちな中音域をうまく制御してくれたし、低音の締まりもかなりの向上があったのだが、ようやっと鋳鉄の腕を外し、山本音響工芸のPB9を直接スピーカの下に置いてみた。これで結果がよければ、同じ黒檀の受けを買おうと思って試してみたのだが、これがいい。なによりも弦楽器のボウイングやピアノのタッチがリアルになり、同じ黒檀製のクラリネットオーボエがちゃんと木の音にきこえるといえばプラシボといわれそうだが、両方の楽器をやったことのある俺がいうのだから、かなり信憑性は高いと思う。全体としても音にふくよかさが加わり音場が以前よりも密になった。低弦の直接音は多少弱くなったが、そのぶん響きの分離が自然である。つまりライブで聴く低音により近い。これは久しぶりにいいアクセサリーだと思った。
というわけで、バイアンプはみごとに玉砕であったが、結果として音は向上したわけだから、いい一日だったといえるだろう。ちなみに、私はきょう誕生日であった。しかし、いい歳してこういうことに一喜一憂してる様は、奥さんから見れば、子どもみたいに見えるだろうな。