ARCAM A80が嫁いでいった。

俺がオーディオに興味を持つきっかけとなったARCAMのA-80が、知り合いのところに嫁いでいった。解像度も高く、いかにもブリティッシュという端正な音で、音の空気感をよく表現していたので気に入って買ったものだ。ピアノの音なんかいま聴いてもいい音だと思う(俺は視聴するときはピアノを基準にして選ぶ)。ちょっと惜しい気はしたが、球アンプに憑かれてからは、そのオーディオ的な魅力が半減してしまったことは否めない。正確に言えば、かつては、オーディオ的な環境でオーディオ装置を意識しないで聴けることが、音楽と対峙することになると考えていたのだが、最近は、オーディオと音楽は意識の中で分離して考えないとだめだという、いかにも逆説的な立場に落ち着いてきたのだ。こちらが積極的に介入するオーディオ……。Concertinoが嫁ぎ、A-80が嫁いで、なんか吹っ切れたような感じだ。これで、SA-5.1のフルメンテも資金的に可能になったし、MC805AAがくれば磐石の態勢ではないか!