満足と妄想

MC805-AAがやってきてからまだ10日もたっていないのだが、なんかもうずっとこれで音楽を聴いているような気がしている。たくさんCDを聴きまくったせいもあるが、むしろこの音にじゅうぶんに満足しているという感覚的な要素のほうが大きいと思う。箱ものに限っていえば、これ以上の音質の向上を望むとすれば、かなりの金を投資しなければならないだろうし。しかしその一方で、大球の三極管シングル、直結回路の音のリアリティがこれほどすごいものであるなら、300Bのシングルなんかも聴いてみたいし、これと実力的に拮抗するくらいのPPアンプも聴いてみたいという願望もむくむくと沸きあがってくることも事実なのだ。まあ、もともとが極貧弱な財力しか持ち合わせていないから、妄想で終わる可能性が大きいわけだが。
ところで、805AAの今までのところ確認できた唯一の欠点は、トランスの唸りが聴取ポイントからも聞こえることだが、こればかりはどうしようもない。そしておそらくそのために、メインボリウムを12時以上に上げるとハムノイズが出るが、対策といっても有効な手段が思いつかない。ま、東京文化会館の4階・5階センター席は空調の音がわずかに聞こえるが、音がいいからよくその席に座るのと近い感覚だから、気にしなければいいだけの話だ。