直結とプリの音

昨日書いたトランスの唸りとハムだが、トランスの唸りについていえば、強弱の変化の多いクラシック音楽の弱音になるときこえる程度だから、さほど大きな問題ではない。だいいち、リビングの向こうのほうからは冷蔵庫のモーター音がきこえてくる訳で、そちらのほうがよほど鬱陶しい(真剣に音楽を聴くときは冷蔵庫のコンセントを抜いてしまうこともある)。で、ハムのほうだが、MC805-AAをCDP直結とプリ経由の両方で聴けるようにして原因を特定しようとしたが、不思議なことに、ピンケーブルのつなぎ替えなどしていたら、ハムが消えた。パワーアンプのボリウムを最大にしてプリのボリウムを午後1時過ぎまで上げると若干ハムが出るくらいで、これならまったく問題ない。直結だとハム音は皆無だから少しはプリのノイズを拾っているようだ。とはいえ、ケーブルのつなぎ替えでハムが消えたということは、ケーブルの取り回しの際にどこかで誘電ノイズが生じていたのだろう。
というわけで、図らずもMC805-AA単独の音とSA-5.1プリを経由した音を聴き比べることができたのだが、なかなかどうして直結でもじゅうぶん健闘しているよ、805AA。少し荒削りな音になるが、低音なんか明らかにプリを通さないほうが太い音がするし、古いジャズなんか荒削りな分リアルだともいえる。クラシックの空気感や楽器の質感はプリ経由の音にだいぶ差がつけらるし、音痩せする傾向があるけれど。逆にいえば、それだけSA-5.1がうまく質感を出しているということだ。コンビとしてもこの両者はなかなかいいではないか。それにしても、直結でもこれが10万以下のアンプの音だとは、知らない人間はだれも思わないだろう。SA-5.1のメンテ中も安心してこいつに任せられそうだ。ただ問題は、パワーがでかすぎてボリウムを上げられないことだ。A級作動だからB級作動などに比べればボリウム抵抗値の影響は少なそうだが、7時とか7時半ではいくらなんでも抵抗がでかすぎる。手頃で性能のいいパッシブ・プリが欲しいところだ。