樽とJAZZ

樽スピーカが来てから、jazzを聴く機会が増えた。はじめはスピーカの個性を確認するための意味合いが強かったのだが、聴いているうちに昔LPで聴いたjazzをいろいろ聴き直したくなってきたのだ。昨日も仕事帰りに、クラシックとあわせて定番もののjazzを数枚仕入れた。やはり樽スピーカとjazzは相性がいい。今までも書いたこと以外に、音源の音数の多さやマイクの近さ(ミキシング)も関係しているということに気付いた。同じピアノの音でも、クラシックはやはり音数もそれに付加される和音の数も多く、さらにjazzに比べればはるかにペダルを多用するから、音の響きが厚くなる。この響きの厚さをうまくっ拾ってミキシングしないとクラシック「らしさ」が薄れる。逆に、ピアノならば響きよりもタッチの強弱、管楽器なら反響音の少ない直接音が強調されたほうが、jazzスポットのライヴ感がリアルに感じられる。樽スピーカは、そんな録音にマッチするようだ。だから、ヴォーカルのようにモロにマイクに入ってくる音や、金管楽器のように直接音の要素が強い音の再現に長けているんだろう。こういうjazz「らしさ」が魅力なんだな、きっと。
というわけで、昨日仕入れたjazzはこれ。
ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス+8 (紙ジャケット仕様) チック・コリア "Now He Sings, Now He Sobs" チック・コリアの録音の中ではもっとも才気にあふれたものだと思う。ベースのミロスラフ・ヴィトウスはこの録音当時まだ20歳、この半端じゃない才能に、後年、ECMのマンフレッド・アイヒャーが目を付けることになる。
ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン ヘレン・メリル "Helen Merrill" 俺はクラシックにしてもjazzにしても、できればロックすら、歌は入っていないほうが好ましいのだが、これは俺がいちばん最初に買ったjazzヴォーカル。それまで、俺はオペラの全曲盤を除けば女性歌手が歌うLPは中島みゆきとGisela Mayしか持っていなかった(^^;
クール・ストラッティン ソニー・クラーク "Cool Struttin'" ジャケットだけでも後世に残る名盤(笑) とにかく、この屈託のない脳天気とさえいえるスイング感はどこからくるんだろう? 団塊の世代以上のjazzファン垂涎のアルバムだったそうな。