RD-2

恐いもの見たさにいつかは手を出してしまうかもしれないと思っていたブツをついに買ってしまった。

こういうものは、効果があるかどうか実際に自分の耳でふだん聴いているCDを聴いてみないと踏ん切りがつかないが、つい最近自宅で聴く機会を得て、その翌日には早くも発注していた。つまり、それだけ甚大な効果があったわけである。――2ちゃんねるには「Acounstic Revive消磁器使わない奴はバカ」なんてスレッドがずいぶん前からあるようだが、中は一度ものぞいたことがない。この手の製品については、だいたい何が書いてあるかなど読まなくてもわかるのが2ちゃんねるである。そんなことはともかく、何年も前に、友人からCDの縁と中心部をグリーンのマジックて塗ると音が良くなるときいて、何枚かのCDをハイマーキー(彼はハイマーキーでなければダメだといっていた/笑)で緑に塗ってみた際に、その効果をほとんど聴き取れなかったこともあって、それ以上に理論的に怪しいディスク消磁などというものがほんとうに効果があるとは、あまり信じていなかったのである。
ところがどうだ。半信半疑で、最近音がこもり気味になったように感じていたCDをRD-2にのせてみたら、消磁する前の音と消磁した後の音とでは、一聴してぜんぜん違うのである。音の雑味がきれいになくなりクリアになったのだ。目の前にあったもやがきれいに晴れて、音の輪郭もはっきり、陰影もくっきり、たしかにこのCDは最初の頃はこういう音がしていたよなぁ、ってなもんだ。にわかには信じられな変化だったので、何枚かのCDを消磁前と消磁後で聴き比べたら、やっぱり違いがすぐにわかる。この違いは、リマスターの悪いCDと良いCDの違いに似ているかもしれない。クラシックの場合、過去の録音をリマスターする場合が多いので、明らかにリマスターによって情報量が違うという経験をよくするが、そんな違いだ。
というわけで、アナログ時代にLPの盤面の静電気をとったり、カートリッジの針を洗浄液をつけたブラシで掃除したように、CDをプレーヤーに乗せる前にRD-2で消磁するという儀式が俺の新しい習慣になりそうだ。
だが、PPPアンプのケーシングにまわすべき金が、こいつのために消えてしまった。どこから捻出するかなぁ。