年末行事

昨年も書いたように思うが、年末行事のひとつにバッハの「マタイ受難曲」を聴くというのがある。これを聴いたあともあれこれ聴くわけだから、その年の最後を締めくくる音楽というわけじゃないが、1年の仕事を終えたあとでこれを聴かないと1年が終わった気がしない。全曲3時間という長さもあって、この時にしか聴かない。で、今年はだれの演奏にしようかと思ったが、ヘルムート・リリング指揮シュトルットガルト・バッハコレギウムのものにした。バッハ:マタイ受難曲去年もこれだったが、今年一年は、音楽を聴く環境がずいぶんとかわったので、ちょっと儀式めいた思いのこの機会に、昨年の音と比べてみようという趣向がはたらいた。年に一度しか聴かない曲というのは、1年前であってもその演奏(音)の記憶というのは鮮明に覚えているものだ。リリングの演奏ならエヴァンゲリストの聖書の語りやアリアに用いられている「音楽の言葉(フィギューレン)」を意識した旧盤のほうが好きで、この新盤はロマン主義的な解釈に逆戻りしたような演奏で、じつはあまり好きじゃないのだが。
去年は外付けDACなしのARCAMのCD82T→SA-5.1→SA-8→DALI/Towerというシステムだったが、今年選択したのは、82T→あれ→aqua→WE396A+5670PPP→Towerというシステム。プリを挟むかどうか迷ったが、DIYづいた1年だったこともあり、できるだけメーカー製品を排除して望んでみた。SA-8がいまおもえばCounterpointらしからぬ質感の乏しいパワーアンプだったことが大きいが、やはり昨年の音とは次元が違う。ずいぶん苦労もしたが、この音を聴くと成果の多い1年だったと改めて思う。
明日は、MC805AAとTU873LEという今年の成果も聴いてみなければ。そしてアンプでいえば不動の地位にあるSA5.1プリだが、これはupgradeを待ちつづけて1年もたつ。新年はこれのレヴェルアップがまず大きな目標である。
この1年、オーディオ関係では、個々にお名前をあげていたら切りがないほど多くの方々のお世話になった。1年の最後に、あらためてお礼を申し上げたいと思う。