きょうは岩城宏之さんが…

 昨日、リゲティが亡くなったと思ったら、きょうは岩城宏之さんが亡くなった。
http://www.asahi.com/culture/update/0613/012.html
 できすぎの話のようだが、記憶に間違いがなければ、リゲティの曲をナマで最初に聴いたのは岩城さんがN響を振った「ロンターノ」だったとおもう。たぶん中学3年か高校1年のときだったと記憶している。こういう悲しい偶然もあるのだな。
 岩城さんのCDは日本の現代音楽のものが数枚と、古い録音だがN響ベートーヴェン交響曲全集があるだけで、アンサンブル金沢のものはCDでは聴いていない。ナマでもごく初期に一度聴いただけで、指揮者と楽団員のアンサンブルへの意思が相互に浸透しあっていたであろうその成果はけっきょく聴けずじまいだった。
 自宅にステレオやラジオがなかった小中学校時代、音楽といえば、小遣いをためて買うスコアか、テレビで放送するN響か解散前の日フィル、そしてときどき放送する来日オーケストラの放送以外になかったから、岩城さんとN響の放送は脳裏に焼きついている。日本の現代作曲家の作品以外でもっとも記憶に残っているのは、ベートーヴェンの「田園」交響曲で、いまでも曲のテンポやアーティキュレーションのつくりかたまで、昨日のように思いさせるほど感動したものだった。
 たぶん、きょう家に帰ったら岩城さんのCDを何枚か聴いて、昨日のリゲティへの個人的な追悼に続いて、ひとりで岩城さんを追悼することになるだろう。