1543えぴ(2)―カップリングをDynamicapに替えた

TDA1543えぴのカップリングをMulticapからDynamicapに交換してみた。余談だが、どうしてもDynamiを「デュナミ」と読んでしまう。実際ずっとそう認識していたので実際の会話でみんなが「ダイナミ」と呼んでいることを聞いてはじめて「そういえばアメリカの製品だな」と気付いた。音楽用語でデュナーミク(強弱)なんてものがあるせいもあるが、むしろ学生時代にドイツ語で苦労したツケだ。
で、そのダイナミだが、パーツ入れにSA-5.1用に取り寄せたものがゴロゴロしているのに、1年経っても手つかずなので、今回その音を実際に確認するのは初めてだ。
まず、基準となる音がこれも初物だったMulticapだから基準をどこかに設定しなければならないので、とりあえず「マルチキャップはバランスがよいけども、上の冴えがもうちょっとほしい」というjinsonさんがDACに使われたMulticapの印象を基準としてみる。Dynamiに替えてしばらくは音がざらついてきこえたので「ありゃ」という感じだったが、これはエージングの問題で数時間後には解消。そのうえでの第一印象は、音がとても芯のある強い音になること。とくに低域と高域にそれが顕著で、そのために低域はかなり量感が増してきこえるし高域はピンとのびる印象だ。全体として音の質感が前に出てくる印象がある。しかし、俺の志向する音を基準とすれば、これ以上に量感や強さが出てくると、せっかく1543えぴがもっている繊細さや潤い、静寂感と空気感が犠牲になる気がする。つまり、音のリアルさからいえばDynamicapは見事な再生能力を示すが、音に付随しながらそれを浮き立たせる肌理のこまやかさに限っていえば個人的にはMulticapのほうが好ましい。
Dymamicapはいってみれば諸刃の剣みたいなところがあって(それはおそらく基本性能の高さの裏返しなのだろうけど)、ポイントにはまればすばらしい再現能力を発揮するが、使い方を誤ると対効果費用はとんでもなく高いもになりそうな気がする。
次にデジタル段をLED電源化する作業をするつもりだが、その作業は基板パターンのカットを含むために、一度やると元に戻せないので、どちらに転ぶのかちょっと不安な気もする。

(追記)
上記Dynamicapの印象は、装着後3日(10時間程度)のものです。