TDA1543えぴ(5)―その後

 1543えぴのチューニングもそろそろ終盤。先日写真をアップしたLPF用コイルとST490装着用の手巻きトランスも装着を終え快調に鳴っている。LPF用コイルのほうだが、「弦に艶がのる」という情報だったが、うちの環境だと艶というよりは高域の雑味がとれてクリアになる印象。帯域のバランスにほとんど変化はない。やはり変化がもろにあらわれたのはレシーバの交換。予想はしていたものの、75179からST490に換えたとたん、まったく次元の違う音になる。情報量が圧倒的に増えるし、音に深みと艶が加わって音楽の陰影を見事に描き出す。これなら、カップリングをDynamiに換えたときに感じた違和感が、逆に大きな美点になる。荒削りな部分がウソのように弾力のある息づかいに変化し、低域から高域のバランスもいい。音に適度な湿度があるのでしっとり聴かせる部分でも音の肌理や粒子が粗くならない。75179にDynamiというのはオーバークオリティだったということなのかな。
 こうなると、LTC490も試したくなる。結果からいえば、LTC490のほうが低域が薄くなるぶん、いまのパーツの組み合わせだと帯域バランスが高域寄りになり、音の潤いという面でもST490のほうに分がある。もちろんLTC49が悪いというのではなく、たぶんこれはシステムの問題だ。もっと低域の出るスピーカだったら絶対にLTC490のほうがバランスがとれるはずだし。潤いという点は音に対する好みの問題だと思う。
 というわけで、レシーバはST490で決定。これで、ほぼチューニングも終わりというところだろう。いま気になっているのはSAA7220がすごく熱くなること。デジタル段の電源部TRも熱くなるが、おそらくそれ以上。なので、先日7220にヒートシンクを貼付け放熱対策を施した。ついでに水晶発振器も結構な熱さになるのでこいつにも。
 
 さて、ここまでくるとまたもやケーシングでつまずくのである。